伊坂幸太郎「重力ピエロ」

重力ピエロ

重力ピエロ

「連続放火事件の現場に残された謎のグラフィティアート。無意味な言葉の羅列に見える落書きは一体何を意味するのか? スタイリッシュ・ファミリー小説。」という内容。

他の作品と同じく文体は軽快で、色々な偉人の名言みたいなものがたくさん引用されていたり、セリフもかなり気取っている感じなので嫌いな人はかなり嫌いだろうなぁという印象をやはり受けます。最後にまたどんでん返しでもあるのかと思ったんだが、結末自体は途中から想像できるとおりの普通の結末でした。

まぁ重要なところはそこではなく、話の一番の軸は「家族と遺伝子」ですからね。「家族の繋がりとはなんなのか。所詮は遺伝子によって全て決まってしまうのか」とずっと苦しんできた兄弟が、最後の父親の一言で全て救われます。俺も全部もっていかれます。これまでの部分はここを読むための前フリですよ。テーマの全てはここに収束。

というわけで、とても面白い小説でした。次は「チルドレン」買おうかなぁ。