貴志祐介「十三番目の人格(ペルソナ) - ISOLA」

これでやっと貴志作品を全部読み終わりました。今回は「賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパス。あどけない少女千尋多重人格障害に胸を痛める。やがて十三番目の人格・ISOLAの出現に、彼女は身も凍る思いがした」という内容。この感情を読めるという設定を聞くと、どうしても宮部みゆきの「龍は眠る」っぽいと思ってしまいます。いや、別にあれが世界初とかじゃないですけど、スゴイ面白かったんで印象が強いんですよね。

話に出てくる「アイソレーションタンク」っていうリラクゼーションシステムみたいなやつ?これって有栖川有栖の「ダリの繭」にも同じようなのが出てきたよなぁ。結構面白そうだから一回入ってみたいなぁなんて思ったんですけど、ホントにあるんですかね?と思い調べてみたらホントにありました。世の中変わったもんがいっぱいあるんですね。

話を戻します。途中から多重人格とは別の話になって、少し非現実的な展開になりますけどまぁそこはホラーなのでいいかなと。怖さもそれほどでもないですけど、やっぱ文章が上手いんですかね。スイスイ読めてしまうのがスゴイし、ちゃんと「あっ。そうだったのか!」と思わせるところもアリ。そしておなじみ!綿密に調べたであろう色々な知識満載。心理学用語やらなんやらがたくさん出てきます。新たな恐怖を残して終わるのは、その後の話がさらに気になるのでやめましょう。

というわけで、全部読むと硝子が一番微妙だった気がします。いや、クリムゾンかなぁ。とりあえず、今度の新作お早めにお願いしますよ貴志さん!