高村薫 『半眼訥訥』

半眼訥訥

半眼訥訥

高村薫のエッセイ集です。なぜこんな小難しいことが書いてそうな本を購入したのかというと、考え方とかを学校のレポートに活用できたりしないかなぁ、なんていう不純な動機があったからです!好きなだけ軽蔑してくれてかまわないー。

でも、単純に面白く読ませてもらいました。小説みたいにこれでもか!っていう心理描写が書いてあるわけでもないので、意外と読みやすかったし、為になった気がします。なんというか、OL時代に時間つぶしとして夜な夜な数行ずつ文章を書き、いきなりスパイ小説を書けるのが単純にスゴイ。そして、その凄まじいまでの洞察力。インターネットの話なんて95年に書いたものなのに、今でも違和感無しに読めるというのが驚きです。

まぁ日頃から色々と物を考えているような人なんだろうし、ましてや物書きのプロですしね。だから、そんな人が阪神大震災にあって「人生が変わった」というのは当たり前なのかもしれません。その影響が色濃く出たという『晴子情歌』はまだ読んでいないので、今度是非読んでみようと思います。

それにしても、あの警察内部の話や刑事の心情を想像だけで描いてるということは、取材などはほとんどしていないってことなんでしょうかね。それでアレですか。リアルすぎるにも程があります!