北村薫 『リセット』

リセット (新潮文庫)

リセット (新潮文庫)

えーと、ストーリーはかなり説明しずらいので、かなり簡略化して書きます。戦時中のほのかな恋物語、そして時は流れ…って感じの物語だと思っといてください。とにかく、読んでいても話の筋が全く見えてこない。正直言って中盤辺りまではかなりタルイ。いや、多少盛り返すとはいえ、終わりまでタルイかも…。

でも、時間に対して普段俺が思うこと、きっと皆も思うであろう普遍的な思いが上手く表現されている箇所がチラホラとありまして、それらの文章はとても素敵です。とはいえ、前世がどうだとかのくだりはあまりにも唐突すぎる気が。あとがきとして、宮部みゆきとの対談が載っていることもこれなら確かに納得だ、などとよく分からないことを思ってしまいました。ちなみに、超能力者は出てきません。

まぁ同じく最後の対談で筆者が言っているように、言いたいことは輪廻とかではなくて、「受け継がれてゆく」ということに関してなのだと頭では分かっています。あー確かに行き着くところはそこなのかしれないなぁと最近思うこともあったりしたし。「我々は死んだりしない」、だからこそ生きていけるのかもね。それにしても、やっぱ最後辺りの展開はいきなり非現実的になりすぎだと思います!

そんな感じで、「時と人」シリーズは全て読み終わりました。