奥田英朗 『サウス・バウンド』

サウス・バウンド

サウス・バウンド

僕の父さんは元過激派とかいうやつで、いつも家にいて小説を書いている。学校なんか行く必要ないとか言うのだけれだけれど……。少年の視点を通して、変わり者の父に翻弄される家族を描く長編。いやーこれはスゴイ面白かった。

空中ブランコ」より全然良いです、コレ。東野並みに読みやすい作家というのは伊達じゃなく、スラスラ読み進められます。不良と対決したり、運動家の手伝いさせられちゃったり、家出したりと中身は盛り沢山。あげくの果てには父に振り回されたあげく、沖縄に引っ越すことに。その転校の場面とかヤバイ。泣ける。

っつーか、これはもう「父は元・過激派」っていう設定勝ちだな。それだけで最後まで引っ張った感じ。前半に比べて、後半は多少盛り上がりに欠けるけど、やはり最後の場面での父親はカッコイイ。特に「負けてもいいから戦え。人とちがっていてもいい。孤独を恐れるな。理解者は必ずいる」というセリフはグッときた。

なんかこれ感想書きにくいから、まとめちゃいます。面白いから読め!