重松清 『哀愁的東京』
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/12/22
- メディア: 文庫
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本当の意味で心に染み入るような話が少なかった気がしないでもないが、それはたぶん自分自身の年齢の問題かもしれない。ただ、「鋼のように、ガラスの如く」に出てきた「歳をとることのかなわないあかねちゃんと、今日にとどまることのできないあかね」という表現はとても心に残った。生きている者の傲慢かもしれないが、どちらも切なく思える。
そして、最後に子どもの声を背にした主人公が東京タワーで泣く場面。同義かは定かではないけど、気持ちが分かることもあって、好きです。