本多孝好 『正義のミカタ―I’m a loser』

正義のミカタ―I’m a loser

正義のミカタ―I’m a loser

初めて読んだ本多孝好作品。褒めるべきところが「読みやすい」という点以外になかったような気がするけれど、じゃあつまらなかったのかと問われるとまぁまぁだと答えざるを得ない。そんな感じです。

最初から最後まで「イジメられっ子が成長して強くなる」というようなシンプルな青春小説で押し切ったほうが面白かったんじゃなかろうか……。なぜ途中で社会派に足突っ込んでみましたよという匂いがする陳腐な展開に突入してしまったのか。それだけが謎です。今更善悪の曖昧さについて語られても困ります。

大雑把に括れば「人生」について論じてるんだけど、いわゆる「お金持ちになりたい!有名になりたい!」のベクトルにいっちゃってるので(これまた大雑把だが)、個人的にはもうそこはどうでもいいよ、と。いつか死ぬ、っていうベクトルの視点がゼロだったのが残念。

と言いつつも、たまに涙ぐんだ俺です。暇なときに読むのにはいいかも。