伊坂幸太郎 『死神の精度』

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

再読。数年ぶりに読んだけど、思った以上の軽さだったから一瞬で読めてしまった。その読みやすさに追従するかの如く、人がバッサバッサと死んでいく。「当たり前だからこそサラっと書く」という、この伊坂の姿勢がどことなく好きです。

再読なので、伏線どうこうは特にありません。今回は最後の「青空」の描写にただただ感嘆するばかりです。よくぞここまで風景だけで感慨を沸かせることができるなぁと。まぁそれまでの流れがあってこそではあるけれど…… 改めて考えてみると、作品全体を通して時が流れているというのは憎い演出で、「継続は力なり」という言葉を頭によぎらせます。

それにしても、装丁が単行本の100倍カッコイイ。