福満しげゆき 『僕の小規模な失敗』

僕の小規模な失敗

僕の小規模な失敗

ふとしたところで知ったのだけれども、この人、なんだか最近売れているらしい。筆者自身の工業高校時代の話から現在の妻と結婚するまでの出来事を描いた自伝的漫画。

いや、これは、面白い。まず、筆者である主人公が、ただ暗い顔をしてもそもそと布団にもぐり込むコマで唐突に話が終わるという、しょっぱなから暗すぎる展開。あれは笑います。 そのうえ、「今日は化粧っけがなくてすごくカワイイぞ。なんて彼女は…彼女は…マンコ舐めたい」だからな。わざわざページ変わるところでそれかと思って笑った。サラーッと何気なく書くので素直に笑えます。これはいい。

こういう話って、ともすれば、いかにもアンチ多数派!みたいなものになるのに、嫌味がないところが良いなあ。とにかく、どこまでも短絡的なのに、心の中ではなぜだか強気な主人公が素敵だということに尽きる。縁がない人は本当に全く縁がないのかもしれないけれども、こういう感情はすごくあってね。色々と共感できてしまうことは悲しいのだが、適確に表現してくれただけで胴上げしてあげたい気分だ。愛せる。

あと、よく見ると、意外と絵が上手いです。オススメ。